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IKEDAさん その参

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IKEDA さんからの連日の依頼。 一体何本包丁を持ってるんだろうか・・・(笑) でも、包丁一本一本に個性がありますので、勉強になります。 ありがとうございます。   ④   ➂    ②   ① ① 貝印の関孫六シリーズ(小出刃包丁)  柄はポリプロピレンで軽いのが特徴。 「関孫六」 との銘が入っていますが、残念ながら安価なステンレスです。なので切れ味が早く落ちます。ステンレスを包丁の形に型抜いて、先っちょだけ研いで包丁らしくしただけのものです。 ② ZWILLING (ドイツ) ステンレス三徳包丁 マルチな包丁で何にでも使えます。 フリオデュア特殊ハイカーボンステンレス銅を使用したもの。 ➂ MODERN 三徳包丁   四本の中では最も古いものだと思われますが、品質的には良いものです。二種類のステンレスを使っています。 ④ 穴あきステンレス牛刀 (右利き用) リブ(刃の側面真ん中にある凸のライン)と穴あき加工のため、切り離しが容易にできるタイプです。トマトやキュウリなど野菜を切るのにいいですね。 四種類ともステンレスでしたから、使い勝手が大変良く、錆に強いので重宝します。  刃についた汚れ  ピカールによる仕上げ後

IKEDAさん その弐

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施工前全体  IKEDA さん  その弐 「その弐」 としたのは、見ての通りの包丁だったからです。 片刃刺身包丁(正清の銘入り) 全体的に強い錆が深く浸食している様子でした。(ちょっと見にくい写真ですね) 写真には写っていませんが、反対側の柄には、口輪の付け根から50mmほどの切れ目が入っていていました。恐らくは、中子が錆により膨張し、柄の木材に亀裂を生じさせたのだろうと思います。もしくは、そのような状態(柄の部分が弱い状態)で床に落とした際に亀裂が入ったのかも知れません。 とにかく、この錆を取るのがかなりしんどかった・・・・ 口輪部分 このくらいになると刃に傷が入るなんてことはもう考える必要はなくなります。というのは、錆の浸食ですでに傷が沢山入ってるからです。案の定、錆を取った後には錆の形と同じ傷が入っていました。まぁ、例えるならひどいニキビみたいなもので、ニキビは治っても後は残っちゃうみたいな感じですね。 口輪(黒色)も本来の位置ではなく、ずれていました。柄にも亀裂が入っていましたから、柄の交換も考えましたが、そうなると有償(部品代)になり日数もかかります。それに、刺身包丁ですから毎日使うものではなく、たまに出番があるくらいでしょうから、柄まで治すのはどうかなぁ・・・と思った次第です。 それに、傷だらけの包丁ですから、 IKEDA さんが気に入って頂けるかは未知数でしたので、そのまま研いでお返しすることになりました。下の写真は、施工後のものです。 施工後全体写真 どうですか? 綺麗になったでしょう? 女優並みにガンガン光を当てて写真を撮ってますから、綺麗に見えるかもしれませんね。 でも、かなり綺麗になったと思います。新聞紙に包んで包装して返却しますから、この包丁を見た時の感動(?)は目の当たりには出来ません。ちょっと残念かなぁ、、、、。でも、それより気になるのは 切れ味 が気に入ってくれるかどうかですね。大事なのは見た目ではなく、ちゃんと仕事してくれるかどうかですから。 もう一点! 片刃の包丁は、通常裏刃は、ほとんど研ぎません。 でも、今回は裏にもびっしりと錆が出てましたので、裏刃もしっかりと研ぎました。道具としては、サンダーみたいなのが欲しいところです。これは大蔵省が許可しない...

IKEDAさん その壱

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 IKEDA さんからの初依頼でした。 施工前全体写真 美味しいネーブルを頂きました。ありがとうございました。 ステンレス包丁(モリブデン銅) で鋳造されている高級ステンレス包丁です。モリブデン銅が入っていると錆に強いと言われています。確かにサビはなく、購入した時の輝きこそ無いものの綺麗な状態でした。しかし・・・・ 3mm×2mmほどの刃こぼれが・・・・ かなり目立つ部分に・・・・ 赤丸が刃こぼれ 刃こぼれ は、冷凍品やカボチャなど固いものを叩いたり、ねじるように切ったり、普通に強い力で切ろうとするだけでも発生します。刃こぼれがある包丁ほど醜いものはないので、通常は使用が避けられていき、隅の方に放置されたままになりますね。 この刃こぼれが、切っ先やアゴの方ならまだしも、今回は刃先のど真ん中・・・・ こりゃぁ 目立つだけでなく刃こぼれを取るのも大変です。粗目砥石に当てます。それで刃先全体を研ぐ、いや、削るという感じです。でも、粗目ですので、そんなに力は必要ありません。 刃こぼれが目立たなくなったなら、本格的な刃先の研ぎに入って行きます。やっぱり時間がかかりますね。下は施工後の写真です。刃こぼれが完全に取れています。頂いたネーブルを試し切りに使わせていただきました。切れ味の良い包丁なら、そんなに力を入れずに切れますので、刃こぼれも起きにくいですね。ただし、冷凍品は少し解凍してから切ること、固い野菜は出刃包丁などで切ることをお勧めします。ステンレスの中でも高級品の部類に入る今回の包丁、末永く使って欲しいですね。ご依頼、ありがとうございました~。 施工後 完璧な仕上がり

便利な道具

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2018年スタートです。このゴムとステンレスの器具 ( ツボ万 アトマエコノミーゴム台 RB-BASE ) は、研ぎ石を挟みこむ便利な道具です。今ではなくてはならないものとなりました。頂き物です。調べてみると3,240円でしたので、そこまでは高くはないですね。安定感抜群です!!  これを使用する前までは、お風呂の椅子(ちょうど高さが合うからこれでした)の上下に濡れタオルを置いて、滑らないように固定していました。そろそろお客さんから要請がないかなぁ~~。

自宅の包丁

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左二本ステンレス 右二本銅 自宅の包丁を研いでみました。(片刃の刺身用以外) ご紹介すると銅の包丁が右2本で2本とも 三徳包丁 です。確か・・・妻とわたしがそれぞれ実家からもらってきたものだと記憶しています。 左2本がステンレスです。これは貰ったものです。このステンレス包丁の評判はすこぶる悪いんです。『買ったばかりなのにトマトもろくに切れない』という評判をよく見ます。(ネット上で) ステンレスの方は、小さい方が ペティナイフ (果物用)で、もう一本は 牛刀 になります。いずれも「YUTAKA ISHINABE」と刻印されています。 まぁ、焼きを入れていないステンレスでしょうね。つまり、圧延したステンレスを包丁の形に切り抜いて、刃先になる部分を研いで「刃」を付けただけという代物です。サビないという利点以外に良いことはありません。切れ味はすぐに落ちるし、研ぎにくいですね。 買うなら断然鋼製の包丁です。サビに気を付ければ問題ありません。使った後は水けを取って乾燥させてやるんです。特に柑橘系などを切った後には注意が必要ですね。 『石鍋裕ステンレス』刻印 でも、他を研ぐついでに研ぎますので、常時切れる状態にしてはいます。本当を言うと、1本だけ本物のステンレス包丁が欲しいところです。 包丁を研いでいると、水を使うのと、砥石から出る研汁が原因で 手が荒れます。 なので最近はすぐにハンドクリームを付けます。安いのを買ってきて沢山使うようにしています。一本研ぐのに15分から20分はかかるように思います。正確には測っていませんが・・・。

HIMENO さん

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HIMENO さん 初 HIMENO さんの依頼でした。 一本だけでしたが、まだまだありそう・・・(笑) これは、 ステンレス製の 小型出刃 です。小型出刃は、小魚などを裁く際に使うものです。てんぷらの下準備にも使うんだとか・・・。出刃包丁よりも細身で峰が細く、小魚の身を傷つけにくくなっているんですね。今回、大変だったのは刃こぼれでした。刃先から1.5cmくらいのところに一カ所ありました。荒砥で根気強く刃こぼれを取ります。その後で研ぎに入ります。このステンレスは、途中で継いでいました。ちょうど「桂」の部分で色が違っていました。最近は、継ぎがないステンレス包丁がありますね。カッコいいです。 ステンレスは大量生産できる品物で、比較的安価です。はがね(鋼)の包丁に比べるとサビにくさが売りですね。ほんとにサビません。ただ、研ぎにくいのは確かです。やっぱり研ぎやすいのは、はがね(鋼)の包丁ですね。柔らかい素材だからです。ステンレスの難点は、傷が入りやすいです。研ぐとそれなりに細かい傷が入ります。

YAMADA さん

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YAMADAさん 初 YAMADA さんからの依頼でした。 三本とも最近は使っていないとの事で、三本ともステンレス製でした。 さすがステンレス、サビは出ていません。でも、全体的にくすんでいた ので、磨く前にステンレスを磨きました。 そして、 三徳穴あき包丁 から・・・穴の内側も汚れが着いていました から綿棒とマジックリンで根気よく落としました。この穴、トマトや キュウリを切った時に、切った部分が包丁から離れるように作られて いるようで、一時期大流行しました。今はあまり見かけないように思います。今回の中では、研ぎに一番自信がある包丁です。 黄色の包丁 は、見たところ玩具のようでした。というのも刃の部分が一番先まであるのではなく、先端から1cmはただのステンレスでした。根元も同じ加工でした。ん~よく子供向けの包丁にはこんな加工がしてあるんですけどね・・・。でも、研いだ後はスパッと切れました。 一番上がくせ者でした~~~。拡大して頂いたら分かりますが、 波型両刃の包丁 です。何だろう、、、これは。パン用の包丁ではなさそうですね・・・刃長が柄と同じくらいです。パン用はかなり刃長がありますからね。しかも、波も一定の間隔で波がない部分があるんですよね。冷凍用かなぁ・・・。一番苦労しました。トホホ・・・。調べてみると波型の包丁は、平たい砥石ではしないらしく、普通は業者にお願いするらしいんです。でも、業者も研ぐのは正直面倒くさいらしく、高額を請求するとか・・・。「同じ額を出せば同じような包丁の新品が買えますよ」などと言うらしいです。