IKEDAさん その弐


施工前全体
 IKEDAさん その弐

「その弐」としたのは、見ての通りの包丁だったからです。片刃刺身包丁(正清の銘入り)全体的に強い錆が深く浸食している様子でした。(ちょっと見にくい写真ですね)

写真には写っていませんが、反対側の柄には、口輪の付け根から50mmほどの切れ目が入っていていました。恐らくは、中子が錆により膨張し、柄の木材に亀裂を生じさせたのだろうと思います。もしくは、そのような状態(柄の部分が弱い状態)で床に落とした際に亀裂が入ったのかも知れません。

とにかく、この錆を取るのがかなりしんどかった・・・・

口輪部分
このくらいになると刃に傷が入るなんてことはもう考える必要はなくなります。というのは、錆の浸食ですでに傷が沢山入ってるからです。案の定、錆を取った後には錆の形と同じ傷が入っていました。まぁ、例えるならひどいニキビみたいなもので、ニキビは治っても後は残っちゃうみたいな感じですね。

口輪(黒色)も本来の位置ではなく、ずれていました。柄にも亀裂が入っていましたから、柄の交換も考えましたが、そうなると有償(部品代)になり日数もかかります。それに、刺身包丁ですから毎日使うものではなく、たまに出番があるくらいでしょうから、柄まで治すのはどうかなぁ・・・と思った次第です。

それに、傷だらけの包丁ですから、IKEDAさんが気に入って頂けるかは未知数でしたので、そのまま研いでお返しすることになりました。下の写真は、施工後のものです。

施工後全体写真
どうですか?

綺麗になったでしょう? 女優並みにガンガン光を当てて写真を撮ってますから、綺麗に見えるかもしれませんね。
でも、かなり綺麗になったと思います。新聞紙に包んで包装して返却しますから、この包丁を見た時の感動(?)は目の当たりには出来ません。ちょっと残念かなぁ、、、、。でも、それより気になるのは切れ味が気に入ってくれるかどうかですね。大事なのは見た目ではなく、ちゃんと仕事してくれるかどうかですから。

もう一点!
片刃の包丁は、通常裏刃は、ほとんど研ぎません。
でも、今回は裏にもびっしりと錆が出てましたので、裏刃もしっかりと研ぎました。道具としては、サンダーみたいなのが欲しいところです。これは大蔵省が許可しないでしょうから、地道に紙やすりや金ブラシ、電動の金ブラシで対処しました~~~。試し切りは、頂いたネーブルでしましたが、本当なら魚をさばきたかったですね。またのご利用お待ち申し上げております。今回の施工料金ですか?
もちろん、ゼロ円です。
「すごく 切れ味よかった~~ありがとう~~」の声が報酬です!!


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